バーミングハム(Birmingham)市は、アメリカ合衆国アラバマ州の最大都市でありジェファーソン郡の郡庁所在地。
市は1871年鉄道路線が交差する場所に創立され、アパラチア山系の豊富な石炭や鉄鉱石を利用し鉄鋼業の中心として大発展を遂げ｢南部のピッツバーグ｣と呼ばれました。
また、市人口の70％以上が黒人で、かつてはアメリカで一番人種差別がひどい町とまで言われ、1950年代から1960年代にかけては黒人の公民権運動のひとつ、バーミングハム運動の舞台となりました。1963年4月にはマーティン・ルーサー・キング牧師がバーミングハム市警に逮捕され、同年9月には白人至上主義団体KKKにより16番通りバプティスト教会が爆破され犠牲者を出しています。
今日のバーミングハムは、ドイツのダイムラー・ベンツ社（現・ダイムラー社）がバーミングハムから車で西に約1時間のタスカルーサ(Tuscaloosa)に、トヨタ自動車が北に約1時間半のハンツビル(Huntsville)に、本田技研工業が東に約40分のリンカン(Lincoln)に、韓国の現代自動車（ヒュンダイ）が南に2時間ほどの所にあるモンゴメリー(Montgomery)に大規模な自動車工場を進出させており、アラバマ州は現在では自動車製造のメッカとなっています。
 



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16番通りバプティスト教会(Sixteenth Street Baptist Church)
登録：2006年2月20日
所在地：1530 6th Avenue North Birmingham, AL

現在ある16番通りバプティスト教会は、1911年に建設された教会です。
16番通りバプティスト教会は、1960年代の人権運動で、フレッド・シャトルワース牧師が中心になって集会が持たれ、マーティン・ルーサー・キングJR牧師もしばしばスピーチを行いました。
1963年9月15日(日)に白人至上主義のメンバーにより仕掛けられた19本のダイナマイトは、10時22分AMに爆発し、"Youth Day/青年の日"の祝いの準備に集まった4人の幼い女の子の犠牲者を含む26人の死傷者を出す爆破事件が起きました。
この爆弾事件は、10年以上の期間の間に、ダイナマイト・ヒルと呼ばれたこのエリアで起きた45回以上起きた爆破事件の中の一つでした。
この罪無き善良な市民を襲った悲劇は、翌1964年のジョンソン大統領の公民権法の可決を決定的なものとし、1965年の投票権(識字テストによる投票資格判定導入と、投票税の廃止)を通過させました。

16番通りバプティスト教会にお寄りの際には、斜め前にある黒人たちのデモ行進の出発地点や集会場として使われたケリィ・イングラム公園(Kelly Ingram Park)に置かれた黒人迫害を表現した彫像や、教会の前に市によって建てられた公民権会館(Birmingham Civil Rights Institute)の展示物も拝見されることをお勧めします。
 



ベテル・バプティスト教会(Bethel Baptist Church, Parsonage, and Guard House)
登録：2005年4月5日
所在地：3233 29th Ave N Birmingham, AL
検索すると現教会の住所が表示されますが、登録されている旧教会の方は、こちらの住所になります。

ベテル・バプテスト教会は、フレッド・シャトルワース牧師の元、キリスト教の人権運動 the Alabama Christian Movement for Human Rights (ACMHR)の本部を、1956年から1961年まで務めました。
ACMHRは、法的、かつ非暴力的行動にて、人種差別で区別された宿泊設備やレストラン、移動手段、学校や、雇用差別に対しての運動を進め、その行動は、公共輸送の人種差別待遇を廃止する連邦最高裁と州際通商委員会によって1961年に裁決されたフリーダム・ライドに対しても、大きな影響を与えました。
人権運動は、白人至上主義団体の目に留まることとなり、1956年12月25日、1958年6月29日、そして1962年12月14日と、3度の爆破事件を受けました。
 
 


スロス溶鉱炉(Sloss Blast Furnaces)
登録：1981年5月29日
所在地：20 32nd Street North Birmingham, AL

鉄道開発を支援したジェームス・ウィザース・スロス大佐は、バーミングハム創立者の一人として、1880年に自分の会社スロス・ファーニス社を設立し、バーミングハムで最初の溶鉱炉の建設を始めました。
1882年4月に操業を開始し、その年に24,000トンの高品質の鉄を生みました。
バーミングハムの地域は、鉄鋼業により1950年代と1960年代に重大な大気汚染問題となり、また、米国大気汚染防止法といった連邦法は、年代物や旧式の精錬所の閉鎖を促進していました。

現在のスロス溶鉱炉は、産業博物館として、そして、コンサートやフェスティバルに場所を提供しています。